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- 作者: 盛本昌広
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2008/05
- メディア: 新書
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それはさておき、これまたお堅そうな本である。昨今の歴史ブームでノリの軽い歴史本が乱れ飛んでいるが、この文庫は本当に淡々と論説をまとめている。もしかしたら「兵站」と「平坦」を掛けているんじゃないかと思われてるほど、こうピークというか「つまり、これが言いたかったんだ!と訴えることがない。いや、べつに悪い本ではないけれど、歴史の面白さを学ぶという点においては、そうでもない気がする。
とりあえす、どんなことが書かれているかというと…
・戦国時代の軍需物資をいえばやっぱり木。それから竹もだよ。
・その竹や木は、建物はもちろんのこと、槍や柵や旗指物に使われたのだよ。
・戦国時代は人がいっぱい死んだだけじゃなく森林資源つまり竹や木もいっぱい伐採されたよ。
・神域である寺や神社も野蛮な兵士達が押し寄せてきたよ。でも寺もなんとか乗り切ったよ。
と、それだけじゃないけど、淡々と書かれている。ちょうど、檜や杉っていう建築資材に興味があったから良かったものの、戦争における後方支援だとか兵站だとかに期待してると的外れだ。むしろ、物資をどのように調達したか、民衆や領主の生臭い争いなんかが書かれていて、戦国時代という一見華やかな時代の裏で実際さかんにあった地味な出来事が見えてくる一冊だ。