おうちの話・資金計画を考える

先立つものは1にも2にもカネである。カネさえあれば、どんなにでも贅沢ができ自由におうちを建てられる。
しかし、現実的には「予算」という名の限界がのしかかる。大抵の場合は、初めての経験だろうから、数千万の計画を建てようとしても現実感というか、はっきりとしたことは分からない。なので、先行しておうちを建てている友人などに聞きたいところだが、そんなおカネの話の生々しい部分にまではいくら親しくても突っ込めない。かといってアドバイス無しに業者の言いなりになるのもまた危険である。
親族であればその辺は気軽に聞けるが、たとえば親の場合だと、そもそも20年30年前と状況も物価も違うからあまり参考にならない。「こういうときに苦労した」くらいの話は参考になるが…。
結局のところ、あとで後悔しないためにも出来る限り知識を身に付けて勉強したほうが良い。するしないによって数百万の損得が付いてしまうのも資金計画の怖さだ。
とりあえず、ローン返済を考えるが、一般的に頭金は2割必要。トータルで4000万円ならば、800万円くらいは用意するといった感じだ。ただ、今は頭金が少なくてもローンが組めることも多いみたいで、生活が危うくなるほど無理な借入金でなければ、9割10割のローン返済もやって良いと個人的には思う。
前述の例でいくと、頭金2割を除いて、借入金は3200万円となるが、そもそもトータルで3200万円の予算で家を建てれば、毎月の返済は実質的に同じになる。
※但し、銀行によっては、頭金の割合に応じて金利が下がるようなこともあるので注意と確認が必要になる。
そして、総予算から、今度は土地と建物の割合である。これは個々の考え方がまずあって、それは何かというと、土地(地域)にこだわるか、建物にこだわるかということだ。(※「どちらにもこだわる!」ってひとは頑張ってお金貯めてください、もしくは生活の何かを犠牲にしてください…。)
ま、一般的には半々と考えて、4000万円だと、土地2000万円、建物2000万円くらいとなる。別の稿になると思うけど、建物とは建物本体価格だけではなくて、それはもういろいろと諸費用がかかって、最低でも2000万円くらいは欲しいところなので、この予算は多いようで、実は最低水準と考えたほうが良い。
土地で2000万円も、内訳でいくと諸費用が1割くらいはかかってくることを念頭に置いて、この場合1800万円を上限にラインを引く。あと、おうちを建てるならば、最低でも30坪が欲しい。それで調べていくと、都心から1時間以上にはなるが、とりあえず良さそうな土地がチラホラ見つかる。但し、東京都と神奈川県に限ってはネームバリューなのか付加価値と言わんばかりに高くなる。これが、千葉、埼玉、茨城などになるとガクンと減っていく。茨城などは全国的にも平均地価が異様に低い県なのだが、つくばエクスプレス沿線などは人気があり、安くはない。そういった情報に目を光らせておくと、土地相場が把握できるようになって、「なんで高いのか」「なんで安いのか」がおのずとわかるようになってくる。
…土地の話に偏ってしまったが、そうやって予算の割り振りが順当にいけば幸せだ。とはいえ、自分ひとりで建てるわけではなく、配偶者もいれば大きい子供だったら口出ししてくるかもしれない。親だって何かいうかもしれない。そうした影響もあり、簡単に半々といかないケースだってあるはず…自分の場合はまさにこれで、あろことか、最終的には建物8割、土地2割(実際は1割5分くらい)の割合になっていた。建物にやたらと拘ってしまった典型になるだろう(笑)。土地は都心からエライ離れているが…住めば都と言いますし…といった開き直りだ。
もちろん逆のことを考える人もいるだろう。とにかく都心に近く、狭い土地でも寝泊まりさえ出来れば良い家を作る、なんていうパターンだ。それも一興だと思う。
とりあえず、この予算計画はおうち計画の根幹を成すもので、これを変更してしまうと本当に根本から変わってしまうので、慎重に考えるようにしたい。我が家も一度大幅に変更して今に至っている。購入した土地もまるで離れたところに変わったので、カタログを取り寄せた地域限定の工務店さんにはちょっと悪いことをしたと思っているし…。重ねてこれは慎重にしたほうが幸せになれると思う。