おうちの話・まえがき

一般的に「おうちを建てる」もしくは「おうちを買う」ってのはどんな時期だろう。
賃貸より財産として払いたいから?子供ができたから?年齢的にそろそろ?まぁ、人それぞれだと思うが、何事においても「買いたいときが買い時」なのだろうと思う。しかしそんな軽い一言で済ませられるほど住宅というものは安い買い物ではない。車とはわけが違う。
我が家としては、第二子が懐妊となって、そろそろだねえとやんわり考え出したのが2008年の年末。それまでは全くのド素人で、本当に何も知らなかった。知らないなりにとりあえず見てみようか!ということで軽い暇つぶしがてら、ネットで情報を片っ端から集めてみる。最初に目についたのはマンションなんですよね。折しも不況のあおりを受けて価格が下落し始めていたのだ。手頃な物件もあったし、そのうちの一つに実際に足を運んだりしてみた。
マンション販売に限ったことではないが、その強引極まる押し営業に我が夫婦は辟易。マンションはどこもこうなのだろうなと、それ以降ショールームに行くことはなかった。それだけでなくて、やはりマンションとなると、余程広い間取りでなければ狭苦しくなるし、管理費や修繕費、駐車場など諸経費でけっこうな負担になることも敬遠せざるを得ない理由になった。決定的だと思ったのは、やはりマンションというものは上下左右と壁で接しているということに尽きるだろう。これから男の子が二人もドタドタやるのに、どんなトラブルが待ってるとも限らない。
そんなことは計算に入れて、世の人々はマンションを買っているのだろうけど、なんだかマンションという選択肢は自然消滅していった。夫婦互いに平屋のおうちで育ったということも大きいのかもしれない。これが都会のマンション育ちだったら価値観が違ったのかもしれない。
そんなわけで、マンションではないとすると戸建になる。まだこの段階では建売はどうだろうという気でいた。注文住宅なんてのはとてもお金のかかることのように思えたからだ。何しろ我々には土地が無いのである。土地も建物も…というのはいかにもハードルが高いように思われた。
それで、建売を見るには見たのだけど、なんだか味気がない。うん、べつに住めるよねとは思うのだけど、作りは万人受けのスタンダードなものだから面白味がない。というか最初から乗り気ではなかったようにさえ、今となってみれば思う。それよりも、最近流行りだという、中古住宅をリフォームして住む、みたいなものは妻がはじめは大変興味を示したりして、それ用の雑誌など見てワイワイと話していたが、中古物件だと、10年20年経ったあとに建て替えということになる可能性もあり、そこからまたローンを組むとなると年齢的に難しいだとか、その為に多めの貯蓄をしておかなければならないとか、いろいろな問題も見えてきた。子供のいない夫婦だとしたら、それは良い選択肢なのかもしれない。が、状況が違った。中古住宅リフォームはもっと逞しい人が勢いでやっちゃうことかもしれない。
そうすると残りは注文住宅ということになった。2010年1月の時点では着工すらしておらず、土地も建築も契約したての段階ではあるが、過去から、これからを含めて顛末を残していきたい。