なんだかジワジワきている…滋賀県

平成22年国勢調査(統計局ホームページ)

落ち着いてから国勢調査の結果でも確認しとこうと思っていたら、どんどん日にちが過ぎて震災も起こってしまい、今頃の確認となった。
というのも去年話題になった、既にお亡くなりになっているにも関わらず死亡届が出されておらず、戸籍上は120歳になってた…なんていう話、いわゆる非実在老人の件で国勢調査後の照合が気になってたからだ。
残念ながら今はそれどころではない(関係者はホッとしてるかも)のだろうし、落ち着いたらマスメディアもマスメディアの体をなして生き残っていたら再び追求してほしいと願うばかり。

人口速報集計結果(統計局ホームページ)
さて、我が国の人口は速報値ではあるが、前回調査の平成17年を比べ、29万人弱増えて約1億2800人になったということだ。人口増減率は、0.2%。細かいところは今後公表されていくだろうが、内実として当然ながら少子高齢化が顕著な数字が出てくるだろう。
市町村別の増減率などのデータも開示されているので、お住まいの地域、近隣との比較など行なっては如何か。

都道府県別の人口増減率としては日本地図でわかりやすいのでこちら。
【図解・行政】国勢調査・都道府県別人口増減率(2011年2月)
全国的に見ると、東京近郊、愛知、大阪、福岡は増加しているものの、他は軒並み減少という、都市集中の傾向が引き続き起こっている。特に東京は4.7%増と突出している。一極集中の状態は今年度については続いてる。思えば、阪神淡路大震災の後に、この東京への一極集中は加速した。
今回の東日本にて起こった大震災を受けて、今度は逆の現象が起こる事もあり得る。
逆に減少著しいのは秋田県の-5.2%減。東北の県は宮城が-0.5%減とそれなりに持ちこたえているものの東北各県としては大きく減少しているように思われる。こちらについては大震災の影響をモロに受けてしまい人口減に拍車をかけてしまいそうだ。
意外なところでは、滋賀県が2.2%増となっている。先に挙げたような都市圏とは言い難い地域だ。地域といえば滋賀って中部なんだか、関西なんだか、北陸なんだかわからない微妙な地域であったりする。たしか滋賀県の友人は関西弁を喋っていたので気持ちとしては関西なのだろうと勝手に思っている。(草津市の人で京阪に近いからだけかも…)それは冗談として、文化的にも歴史的にも畿内(関西)との繋がりは大きい。だからやはり関西なのだろうかと。
それにしてもなんで滋賀は人口増えてるんだって話である。日本本土を俯瞰した場合、真ん中に位置していて新幹線などの鉄道、高速道路の分岐点もあり、交通の便は良いとは思う。いや、しかしそれだけなら他の地方県でも同じ条件はある。
この答えとしては京阪神の人間ならすぐに思い浮かぶだろう。滋賀から京阪神へのアクセスが非常に良くなったことにより、滋賀県がベッドタウン化したことが大きい。
たとえばJR東海道本線新快速を使えば、大津駅→大阪駅で40分である。京都をまたいでこれなのだから早い。通勤時間として全く問題ないことが窺い知れる。
他の要因としては、滋賀県として積極的に大学を誘致してことにも依るだろう。意外や意外、滋賀県の大学生率は全国的に見てもトップクラスである。学術の県ということだ。若い力で地域も活性化する。
また、企業誘致も積極的に行なわれており、多くの大工場が操業している。滋賀県に本社を置く企業もけっこうある。レーシングカーで有名な「童夢」も米原に本社を置いている。
滋賀県民にとって残念だったのは一時期話題になっていた新幹線駅誘致の失敗だろう。多くの人間にとっては、滋賀県に駅を作られたところで、「利用しない」「こだまのダイヤが若干遅れてしまう」「いらない」と思ったことだろう。しかし、当地の人間にしてみれば、自分の県に新幹線がじゃんじゃん通過しているのに、どこにも止まらないなんてけっこうな屈辱だろう。そう考えるとあながち反対する気もなくなった。
また、住むのであれば京都でも良いのではないかという意見があるかもしれないが、京都は比較的地価が高いし、夏は異様に暑いし、そもそも京都県民は「一見さん」に見られるように排他性があるイメージなので、引っ越して住まうことに躊躇するかもしれない。その点、滋賀県民はなんだか優しそうなイメージである。(近江商人のイメージだと悪くなるが)
そんなわけで、今後は人口もそうだが、滋賀県も特に注目していきたい。他の地域も参考になるような施策があるのでは。