歓喜とともに喪章を掲げ…そして夢と希望のゴールが決まった

日本代表がJ選抜を2−1で破る(日刊スポーツ)
こんな試合になるなんて。
チャリティーマッチというと、もっと娯楽的な試合になるのかと思っていた。フタを開けてみると、日本代表もJリーグ選抜も総力を尽くした真剣勝負となった。日本代表・長谷部主将の宣言、そして黙祷を終え、試合開始。前半は、ほぼフルメンバーとなっていた日本代表が優勢だった。アジアカップで好調だった連携は少しも色あせていない。
特に、というかやはり本田圭祐の存在感は他を圧倒していた。
遠藤が、岡崎が、次々とゴールを決める。日本代表はやはり強い。戦術の試行すらやっている余裕が見えた。結果的には日本代表が勝利を収めた。
前半では、遠藤がフリーキックを決めた際に、遠藤が率先して喪章を天に捧げ、メンバーが倣っていくシーンが印象的だった。だけど、今日の試合のハイライトは間違いなく後半で唯一となったゴールシーンだった。
後半37分、GKからのロングボールを闘莉王がヘッドで落とし、そのボールにカズが素早く反応。DFを引き連れながらGKとの距離が詰まる。しかしながら冷静に狙ってボレーシュート。44歳という年齢をまるで感じさせない、思いのこもったゴールだった。
前半に哀悼の意を体現していたとすれば、後半は明日への希望を示していた時間のような気もした。
カズ「日本を明るくできたら」 真骨頂、得点もダンスも(asahi.com)
カズダンスをやることについては試合後のコメントにてカズは「やっていいのか迷った」と語っていた。「でも期待されているから」とも。多くのサッカーファン、そして被災者が歓喜したことだと思う。「今後も、いろんなところでチャリティーマッチが出来るといい」と今後の継続的な活動に言及。
サッカー界として今後も夢のようなマッチメイクを行なって欲しいなあと思う。あるいはミニワールドカップのようなものは出来ないだろうか…FIFAもこうしたことには動いてくれる気がする。
被災地の出身で、自身も被災地を訪問した小笠原は「子供達がサッカーを出来る環境を整えたい」と語っていた。先を見据えた発言だった。食糧や燃料が不足している状況で何がサッカーだ、と思う人もいるだろう。
自分は幼少の頃は貧しさに悩んでいたけれども、サッカーがあったからこそ、いろいろとつらいことは忘れられたし、人生を前進させることが出来た。
そうした経験から、小笠原の考えというものは非常に賛同したいところがあって、自分も微力ながら協力したいと今は思っている。
しっかし、良い試合だったなあ…。