これを機に無駄な道路は棄ておくことも必要になる

3.11大震災で東北各地を中心とした東日本でズタズタになった交通インフラは日に日に主要なところから復旧してきている。
今や東北自動車道磐越自動車道などは「命をつなぐ道路」だ。また、一般道でも重要な国道などは同様だ。この道が通らないと物資が全く届かない、という唯一の道路的なものもあるだろう。
ただ、東北だけではないが、地方にはどう考えても無駄としか思えない道路も多い。山間の道路を走ると、部分的に無理やり片側2車線化にしていたり、ほとんど人が歩いていないのに広い歩道、立派な街路樹があったりと無駄が目立つ。
複数のメディアが報じるところによると、復興費用にかかる支出は「10兆円以上」とも言われるそうだ。それにかかる費用は、概ね国が出すとしている。
数兆円の復興交付金、政府検討 国の負担でインフラ復旧(asahi.com)

 菅政権は、東日本大震災による道路や港湾、住宅などの社会資本の被害は16兆〜25兆円にのぼると試算。自治体だけでは復旧作業は困難とみて、国が全面的に財政支援する方針を固めている。

設けられた予算の中で、それを使い切ることが使命のごとく年度末などには駆け込み的に道路工事が多発している。それと似たようなことを今回はやってほしくない。予算が予算なだけでにとんでもなくいい加減などんぶり勘定がまかり通りそうな予感はする。
何しろ、やる気を出せば凄まじい勢いで道路を仕上げる世界屈指の土建屋を擁する国である。
大きな打撃受けた日本の高速道路、その驚異的な復旧ぶりに英紙が驚嘆…わずか6日で復元
その勢いは的確に使ってほしい。余剰は他に回されるべきであるはずだ。
明らかに重要なインフラをまず最優先し、次の段階で「この道路は必要か、必要でないか」の仕分けをやってもらう。場所によっては廃道とするところも出てくるだろう。それは仕方ないのだと思う。道路は作れば終わりではない。それをメンテナンスするコストというものが未来永劫のしかかってくる。後世への負債となる。少子化が不可避な以上、一人あたまにのしかかるコストというものは出来る限り上げないように努力しなければならない。こういった仕分けもその一環であると思う。
もちろん、生まれ変わった都市として、たとえば仙台市などは震災前以上の都市プランなど企画されてもいいだろう。
民主党は政権奪取前に、「(古賀)誠ロード」などと糾弾していた、あの感情のままだと理解ある政党のはず。緩急織り交ぜて、国民としても震災後の復旧していく姿を厳しく見ていかないといけない。