住宅取得優遇措置が盛り込まれた第二次補正予算案が成立

経済対策に7.2兆円 2次補正予算が成立(asahi.com)
自民党をはじめとした野党が足を引っ張るのと、与党内の調整に時間がかかった(こっちのほうが大きい?)こともあって、ずれこんでしまった第二次補正予算案が本日、衆院から参院に送られて無事に可決した。
自民党への批判も多いらしいけど、景気浮揚の予算案でもあるし、批判したところで、恩恵を受ける業界の支持を失って選挙に響くことを考慮したのだろうか。とにかく民主党とくに小沢氏へのネガティブキャンペーンを張った。
今回補正予算案は住宅業界に手厚い。建築業界に支持基盤を持つ自民党はまったくこれに突っ込むことが出来なかったのだろうね…。だから、来年度予算案で出る予定の子ども手当について、「先のこと」を批判したりするのだ。
ま、それはいいとして、住宅優遇の話である。
以前のエントリで、もうすぐ予算案成立だよー、というのと、箇条書きで内容を書いたけれど、日経にまとめられている。
2次補正予算が成立 住宅版エコポイント、28日完工から適用(NIKKEI NET)
エアコン、TV、冷蔵庫に付与されている政府エコポイント制度を2010年末までに延長。エコカー補助措置は9月末までに延長。民主党ってば、野党時代はエコポイントをさんざん批判してた気がするが、マニフェストに明記しているわけではないから、何食わぬ顔で継続させてきましたな。ともあれ消費者、財界からは歓迎だろう。
それで、新たに新設される、住宅版エコポイントである。既存住宅のリフォームの場合は、最高で30万円。新築の場合は定額30万円。条件を満たす住宅が対象となる。この対象ってのは素人には良く分からなくて、要は「この家はエコですよ!」っていう証明書を発行してくれればそれが印籠になるんだが、何をどうすればいいかちょっと掴めない。小さな工務店はこういうことにあまり慣れてないから厳しいかもしれないが、受注の多いハウスメーカーであれば、とりあえず対応はしてくれるだろう(…とはいえハウスメーカーを勧めているわけではない)。
個人的に最もわかりやすいのは、「省エネルギー等級4」を確保してその証明を受けること。その為には、基準を満たす断熱材の厚みを確保することになる。例えば、50mmが標準だけど、100mmの断熱材を入れないといけないとかね。これは地域によって基準が変わってくる。寒い地域にいけば要求される厚みも増してくる。
断熱性が高まれば、それだけ熱が逃げていかず、エアコンが効きやすくなって省エネにつながるらしい。そんな断熱性の高い住宅に住んだことがないので何とも言いようがないが、データの上ではそうらしい。
エコポイントの話はそれくらいにして、やはり個人的に一番大きいなと思うのが、住宅金融支援機構のフラット35Sの金利引き下げ措置だ。10年間、実に1.0%も下げてくれる。
当のサイトでも待ってましたとばかりに早速トピックを打ち出している
現在のフラット35金利が最安で2.57%なので、10年間は1.57%固定。11〜20年目が2.27%固定。以降、2.57%固定である。試算したが、3000万円くらいのローンを組むとして、300万円から400万円くらい総支払額に違いが出てくる。これは相当に大きい。くれぐれも注意しなきゃならんのは、フラット35「S」だということ。条件を満たさないと、この恩恵は受けれない。例えばマンションとか建売などでは難しいし、注文住宅の標準仕様でもクリアできないことがある。そこでどうするかというと、効率的に考えて、先に紹介した住宅版エコポイントを頂く為の「省エネルギー等級4」の基準を満たすことによって、エコポイントと、フラット35S適合の一挙両得を狙うのは一つの作戦だと思う。うちの場合は、その前に耐震等級3をクリアできるので、その時点でフラット35Sのほうはクリア出来ているのだが、断熱材施工とエコポイントで相殺みたいな感じになっている(笑)
すでに住宅展示場ではフライング気味に優遇措置について喧伝しているハウスメーカーもあったりしたが、今後はもっとアピールしてくるでしょうね。