高千穂鉄道に再生の可能性?

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20070830k0000e040003000c.html
私が県外に出て、ちょっと驚いたのが県外の人が意外にも高千穂峡のことを知っていたことだった。何かしらTVなどで映像を見たということだったが、たしかに高千穂峡は幻想的でなかなか他ではお目にかかれない宮崎が誇る屈指の観光名所だ。戦後の第一次宮崎ブーム*1(もちろん現在が第二次宮崎ブーム)には宮崎県全体としては観光業が盛んだったが、沖縄返還以来"南国"のポジションを奪われ、また温泉やこれといった特色も訴求出来なかったことにより急速に減退した。そして多くの観光施設が閉鎖に追い込まれていった。その中にあって、高千穂峡はいつだって大混雑だった。道路網の整備により県内外から多くの観光客が訪れるようになった。意外に知られていないかもしれないが、高千穂峡は宮崎延岡側からだけでなく、熊本阿蘇方面からも行く事が出来る。
個人的にオススメなルートなのは、

発→宮崎空港→綾・酒泉の杜→大吊橋→高千穂峡阿蘇の温泉地で泊まる→
阿蘇山、大観望、阿蘇ファームランドを巡る→熊本空港→着

このルートでだいぶ満喫できる。
余談に走ったが、高千穂峡そのものは全盛期よりある程度客が減ったとはいえ、どちらかというとマイカー普及のあおりを食らった感が否めない。問題なのは道路と違って、鉄道は阿蘇方面まで続いてないのだ。構想はあったようだが…
それによって少なくとも交通手段につかうにしたらとても不便なものになっている。鉄道というのは途切れてしまうとものすごい不便になる→客が減る→本数が減る→不便になる、の悪循環が始まるのに最初から途切れてるのだ。かろうじて高千穂鉄道の拠り所は観光での利用だったが、運行時は赤字を計上し続けていた。2005年の台風14号による被害で第一五ヶ瀬川橋梁、第二五ヶ瀬川橋梁が流失するなど全線にわたって甚大な被害を受けて、運行休止となった。高千穂鉄道だけでなく宮崎県の至るところで深刻な被害を被った。しかしながら、高千穂鉄道の運行停止は、なにか宮崎の観光事業が終わりを告げたような暗雲を県内の人間に立ちこませたことは確かだろう。悪いときに救世主は現れるもので最近は新しい知事が頑張っているが、あくまでもソフトウェアでの頑張り。ハードウェアとしての高千穂鉄道の復興はとても待ち遠しい。これについては「観光目的鉄道」にするという案が出ているらしく、国交省鉄道局の専門官も、

「たとえ鉄道が赤字であっても、観光客が町や周辺地域を訪れ、地域全体で黒字になればいい。そうなることで、地域全体が鉄道事業の存続に力を貸すようになる」

と全国の鉄道マニアが賞賛を惜しんでやまないようなことを言っている。多分、赤字は自治体財政を圧迫し、そのツケがまず住民にまわってくるので、理解が得られることも必要でしょうね。道はけっこう険しいと思う。だが、動向は見守っていこう。

*1:新婚旅行といえば宮崎、みたいな時代。皇太子夫妻が新婚旅行にきたんだぜ。すげええええ!